北のほたるや

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雨にぬれても

雨にぬれても




先日、当方の「イチゴ専用畑」を荒らされる事件が2夜連続で起こり
2夜目には、逃走を図る犯人と目があった。

犯人は、突然現れた私の姿を遠巻きに凝視し、何か言いたげにしていた。

近年は物騒な事件が頻繁に起こる中でもあるが、さすがに刃物は持っていないだろう。

とはいえ、場合によっては刃物よりも危険な「牙」と「感染症」を持っている可能性は高く
暗闇でもあることから、必要以上に距離をつめることはしなかった。

ほどなくして、暗闇に光る怪しげな二つの光は、叢へと消えて行った。

翌日、市役所の総務福祉部市民生活課というところに電話し、事情を伝えたところ、午後には「箱罠」を届けてくれた。

早速、掘り返された「イチゴ専用畑」を移設し、同じ場所に「箱罠」を仕掛け、中には生ゴミを少し入れておいた。

夜になると雨が降り出し、数十日もほとんど雨が降らずに乾ききっていた畑や庭に恵みを齎せてくれた。

雨の降りが少し強くなってきた頃、「ガシャン!」という狂暴な音が雨音を掻き消した。

リビングの窓から見える「箱罠」を、窓を開けてペンライトで照らしてみる。

薄い、青緑色の二つの光が、更に激しさを増す雨の中で、所在なくうごめいていた。

さすがに、深夜でもあることから、何も対処できないので
そのまま、朝になるまで放置しておいた。

翌朝、早々に「箱罠」を見に行くと、昨夜から降り続く雨と寒さと恐怖からか、叱られて反省しているかのようにうなだれていた。

でも・・・

でも、でも、でも・・・

そこにいたのは、捕える目的だったアライグマではなく
成獣と呼ぶにはあまりにも幼く見えるキタキツネだった。

おそらくは2〜3歳だと思うが、食糧事情が悪いためだろう、痩せ衰え、幼さすら残っている。

言うまでもなく、キタキツネは北海道の在来種で、人間よりも古くからこの土地に生息し、エゾオオカミ、ヒグマと並び、食物連鎖の上位に位置してきた。

先日のクマゲラ同様に守るべき動物であり、捕獲しても放さなくてはいけない。

私は、「箱罠」の中でしょげ返るキタキツネに、もう二度と畑を荒らさないようにと、小一時間ほども説教し、「箱罠」の扉を開けた。

しかし、キタキツネは、「箱罠」から出ようともせず、ずっとうなだれたままで反省を続けていた。

仕方がないので、扉を開けたままその場を離れると
すごすごと「箱罠」から出てきたのだが、媚を売るように、私の足元にまといついてくる。

その姿は、まるで、長年連れ添った愛犬のようであり、惹かれてしまいそうになるが、相手は野生動物である。

私は心を鬼にし、足を振り回し、声をあげ、小走りに追いかけして、追い払うことに腐心した。

ようやくキタキツネも諦めたのか、名残惜しそうに、とぼとぼと、裏山へとつながる林道へと消えて行った。



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きこりん@北のほたるや
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私の生きてきた軌跡

北海道の三笠市旧幌内炭鉱周辺にて、三笠の土を使って陶芸をしています。

北海道の自然や風景・動植物・各地域イベントなどを撮影し、写真にて紹介しています。

地方都市や、過疎地域の町興しを真剣に考え、具体的な提案をしています。

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